皮膚がんは内臓に出来るものとは違い、目で見ることができるため早期発見がしやすい癌です。
皮膚がんは、シミのような形のものから大きく盛り上がった変形のものや、赤く晴れているものなど形は様々です。
早期に発見することで完治できることが多いので、皮膚がんの基本的な事を知り確信が持てないほくろやシミのような物を見極めましょう。
皮膚がん基礎知識
はじめに皮膚の構造がどのようになっているのか確認しましょう。
皮膚がんの初期症状
皮膚構造はこのサイトの「はじめてのダーマペンで美容医療!施術内容と効果を解説!」にも触れていますが、主に表皮、角層、顆粒層、有棘層、基底層そして真皮で形成されています。
皮膚がんにはいろいろな種類があり、その中でも誰にでもある「ほくろ」が変形したものや、紫外線による「シミ」が原因で皮膚がんになることがあります。
皮膚がんの種類
主な皮膚がんは下記の6種類です。
基底層細胞がん
基底層がんは皮膚の表面に近い毛包の細胞や、基底層にあるメラノサイト(色素細胞)から悪性になるもの、これらは紫外線の影響であると考えられています。多くは顔や四肢に発生し、転移することは少ないようです。
ダーモスコピー検査により患部を拡大し皮膚の状態を観察、判断が難しい場合は生検検査を行います。
有棘細胞がん
有棘細胞癌は表皮と呼ばれる(顆粒層、有棘層、基底層)の有棘層細胞が悪性化するがんです。
基底層細胞がんと同じく紫外線にあたる部分に発生すると考えられます。またやけどの跡、ウイルスや化学物質に反応することがあります。
皮膚の色は赤くかさつき、固くなるり、しこりができます。腫瘍が切れて液体が出ると嫌な臭いがします。
ダーモスコピー検査により患部を拡大し皮膚の状態を観察、判断が難しい場合は生検検査を行います。
悪性黒色腫(メラノーマ)
表皮の中にメラノサイトという色素細胞があり、この細胞が悪性に変化して出来る腫瘍のことです。
メラノーマは褐色から黒色のシミのような色素が表皮に現れます。形は輪郭がギザギザしていて左右対象でない、大きさは6cm以上で時が経つと見た目が変化するものがあります。
メラノーマの検査もダーモスコピー検査を行い、生検をすることになるでしょう。
日光角化症
日光角化症は紫外線が当たりやすい顔、手の甲、首周りに発症しやすいがんです。紫外線を長い間浴びていることや高齢の方に発症することが多いと言われています。
表面はざらつきがあり、薄紅色、褐色の斑状です。
日光角化症の治療は凍結して壊死させる方法、腫瘍を切除する方法または軟膏で塗布する外用療法があります。
ボーエン病
ボーエン病は有棘細胞癌と同じく有棘の中で癌が留まっている状態、まだ真皮に進行していない癌です。
原因は紫外線が多くヒトパピローマウイルス感染によるものがあります。
表面がざらざらしていていびつな形状、湿疹だと思い軟膏塗布していても大きくなっていく場合は必ず医師の診察を受けましょう。
主に切開手術をします。大きい切開には植皮が必要となります。
パジェット病
パジェット病は汗器官(アポクリン腺)細胞が悪性する表皮内癌ですが、乳頭や乳輪に発生すると乳がんの一種となります。
また外陰部、肛門周辺に発生した場合は乳房外パシェット病と呼ばれて皮膚がんに区別されます。
パジェット病は表皮内に発生している場合は外科手術です。発見が遅れると切除する範囲が大きくなってしまいます。そして2つ以上のリンパ節に転移すると内臓転移が考えられます。
内臓に転移があると化学療法を、ただし乳房外パジェットは特効薬が見つかっていません。
これらのがん細胞は塊の症状、深さに違いがあるので症状を医師に診てもらうことが大切です。
参考文献;がん研有明病院「皮膚腫瘍科」
https://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/disease/dermatological/contents4.html
皮膚がんの予防
皮膚がんの予防は日頃の生活習慣や感染の対策で予防につながります。皮膚がんやその他のがんについても生活習慣を見直すことが健康につながることでしょう。
- 喫煙はなるべくしない、たばこの煙を吸わない
- 飲酒は無理なく適量
- 食事はバランス良く摂取し、塩辛いもの、野菜不足、熱いもの、一つの食品に偏らない
- 適度な運動をする、毎日60分以上の身体活動
- 適正体重を保つこと『BMI=体重㎏÷身長m²』
- 感染対策
皮膚がんの予防では紫外線対策であり顔や四肢に発生する確率が高いです。紫外線は皮膚細胞遺伝子を傷つけることがありそのために発がんしてしまうこともあります。
また化学物質の影響では放射線、ウイルス、喫煙、などや皮膚疾患では火傷によるもの、骨髄炎の傷跡なども発症原因であることが言えます。
一般的にがんに対して気にかけることは上記の事柄であり皮膚がんはもとより日ごろから日常生活を気遣い健康維持することが大切ですね。
参考文献:国立がん研究センター「科学的根拠に基づくがん予防
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html
皮膚がんの早期発見の重要性
皮膚がんは見た目で疑うことができるものです。早期に受診することで治癒できる確率が高いので疑わしいものであれば皮膚科を訪ねてみましょう。
受診しない方のほとんどは「時間が無いから行けなかった」「大したことがないと思った」という方がいますが、結果大したことが無くても一度診察を受けみてください。
もし悪性黒色腫やメラノーマなら症状が進んでしまうため下記のことを気にしながら早期に発見につなげてみてください。
皮膚がんの形と検査
- 形がいびつであり、液体が出てくる、形が大きくなっていると感じたなら受診すべきです。
- ほくろに似た黒いできもの、班には注意しましょう。
- がんかわからない場合はダーモスコピー検査、病理組織検査をおすすめします。
- センチネルリンパ節検査(平成24年から保険適応)がん細胞が近くのリンパ節に転移しているか調べる術中迅速検査のことで、このような検査もあることを知っておくことも大切です。
皮膚がんであったとしても進行すれば多臓器に転移することを忘れないで下さい。熟練した皮膚科医に尋ねることをお勧めいたします。
熟練した皮膚科専門医は「日本皮膚科学会認定皮膚科専門医」の資格証をお持ちであり知識が豊富であることと思います。
薬物療法や放射線治療方法
皮膚がん転移がある場合は外科的治療、放射線治療、薬物療法があります。現在ではがんの原因であるたんぱく質に効果を発揮する分子標的薬、遺伝子分野では効果的な治療法が開発されています。
遠隔転移している、腫瘍切除が難しい場合は担当医師と相談をして最善の治療方法で進められますように。
皮膚がんの発症と年齢の関係
皮膚がんの発症は男女ともに60代から右肩上がりに発症するという統計が出ています。
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「がん種別統計情報 皮膚」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/13_skin.html
日常生活において普段より紫外線対策をおこなうことで少しでも発生を抑制できるなら努力したいですね。
まとめ
皮膚がんの多くは紫外線による細胞遺伝子を傷つけることと関係しています。そして高齢者に発生する確率が高い結果が出ています。
視覚で疑うことができるため早期発見することで治癒できる確率が高いがんです。代表的な皮膚がんを知ることで早めの受診ができ、日ごろから気になる班を見つけたら注視しておきましょう。
皮膚に黒く盛り上がったシミのよう見える形状で、大きさは1㎜から2㎜の点が広がり、円形状となり次第に中央が凹んで潰瘍となっていきます。