AGAの治療は早いほど良い！治療方法を探る

AGA（男性型脱毛症）は男性の薄毛やハゲの症状です。

AGAは進行性の脱毛症のため「抜け毛が増えてきた」「髪質が細くなった」と感じたら早めの治療をしてみたらいかがでしょうか。

AGAは一般的に30代から50代の男性に発症することが多いのですが、近頃は20代で発症する方もいます。

薄毛が気になりだした時点で治療をすることで、治療期間が短く済み、治療代金が安く済むメリットがあります。

今回はAGAとはどのようなことなのか、早期治療のメリットにはどのような治療が効果的なのか、また副作用はあるのかなど解説していきます。

AGAはどのようなものか

日本語で「男性型脱毛症」”Androgenetic Alopecia”は成人男性にみられる現象ですが、女性にも男性型脱毛症はあります。それを「女性型脱毛症」と呼びます。

男性型脱毛症の薄毛の原因として男性ホルモンの影響があげられます。薄毛の広がり方は頭頂部から前頭部にかけて影響がでてきて、ハリとコシがなくなった細い髪質となります。

女性型脱毛症の薄毛の原因は遺伝的要因や、更年期に女性ホルモンが低下すること、鉄や亜鉛不足で自己免疫疾患によるもの、ダイエットや出産などにより発症する方もいます。

女性型脱毛症の薄毛のパターンは男性とは異なり、局所ではなく全体的に薄くなっていきます。

発症年齢は40歳ぐらいから発症する方が多い傾向です。

人の毛髪は4年から6年ほど頭皮に存在します。そして次に成長していく毛髪に備えて、いま生えている髪が抜けていきます。
参考資料：KAO生活情報サイト「髪の成長」より参考
https://www.kao.com/jp/haircare/hair/1-2/

脱毛症とは

脱毛は何かしらの原因で髪の毛が抜ける症状のことです。

一番問題なのは頭髪の抜け毛ですが眉毛、ひげ、体毛など身体の全てに脱毛が起こることもあります。

毛を作り出す毛包*¹が壊れてしまった、さらに毛周期(ヘアーサイクル)*²が乱れて抜け毛が増えてきたことが考えられます。

ヘアーサイクルは毛母細胞が分裂して増加する成長期、成長が止まる退行期(2～3週間)を経て休止期(数か月)に入ります。休止期に毛根が深い場所から浅い場所に移り、新しい毛が作られると毛が抜けていきます。

脱毛症では円形脱毛症という言葉を聞くことがあります。それは身体を守る免疫が何らかの影響で毛包*¹を壊してしまい毛が抜けることです。

円形脱毛症は男女問わず発症して25歳以下の方達に発症しやすいこと、また眉毛やまつ毛なども抜けてしまうこともあります。

その他、脱毛症は内科的な病気、薬剤放射線治療などの副作用で脱毛が起きてしまうこともあるようです。

参考文献：Dr.AGAクリニック「毛母細胞とは」より
https://drskinclinic.jp/blog/2020/12/01/post-3673/

*¹毛包とは髪の毛の成長に欠かせない構造で皮膚の深い部分にあります。毛包は毛細血管に結びついていて酸素と栄養素を供給します。
*²毛周期とはヘアーサイクルと言って毛髪の生れ変わる周期のこと、成長期、退行期、休止期の3段階からなります。

最近、自分の頭皮が気になる方や抜け毛が増えてきたと思う方は、下記のセルフチェックを試してみてください。

AGAのセルフチェック

下記の項目を参考にしながら、自分がAGAであるか知ることで早めの対処ができるかもしれません。

チェック診断は調べてみると数々出ているようですが、今回は下記のようなチェック診断を紹介します。該当する項目が多ければ毛髪と真剣に向き合ってみても良いかもしれません。

10項目でセルフチェックをし、該当する項目が多いと感じたら毛髪のことを考えましょう。

1. 両親の祖父母の中に薄毛の人がいる
2. 近頃抜け毛が増えてきた
3. 産毛のような細い髪の毛が多くなりコシがなくなった
4. 薄毛が徐々に進行している気がする
5. 額の生え際からかものけが後退した
6. 頭頂部の毛から薄くなった
7. 同世帯代より髪が薄いと感じる
8. 頭皮が油っぽくべたついている
9. 脂肪分の多い食事が多い
10. タバコを吸う

参考文献：KASHI KA「AGA治療は本当に効果があるの？早く治療したほうが良い理由を徹底解説【プロ監修】」

該当する項目が多めの方は治療を始めるか、どうするか悩むところではないでしょうか。もし早期治療をするとどんなメリットがあるのか次の項目で紹介します。

早期治療のメリット

早期に治療を始めることで薄毛になる進行を遅らせることが挙げられます。

男性ホルモンのテストステロン*³が毛根を刺激をして徐々に毛髪が細くなり、さらに毛周期が短くなることで毛髪に栄養が行き渡らず、細く変化して減少していきます。

男性ホルモン「テストステロン」と頭皮の酵素「5αリダクターゼII型」が結びつくとジヒドロテストステロンが作られます。

毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体に、ジヒドロテストステロンが結びつくと薄毛につながります。

薄毛を放置して、そのまま放置期間が長くなるほど、改善することや発毛させることが難しくなります。

AGA治療をすれば誰でも発毛するというわけではありません。なぜなら発毛は生え変わる回数がある程度決まっているからです。
発毛回数の内で早めに薄毛になってしまったことを発見をして、治療をはじめることが大切だということになるからです。

*³男性ホルモンのテストステロンとは男性の筋肉・骨格作りといった男性らしさを作る重要なホルモンです。
*³テストステロンの原料はコレストロールです。コレステロールを体内で変化させてし、20代に多くのテストステロンが生産されていきます。20代の男性に多く生産されて男性的な体を作ります

早期治療のメリットが良いことが分かったところで、実際の治療方法はどんな種類があるのか確認していきましょう。

AGAの治療方法

AGAの治療方針は、それぞれの症状や治療の希望に合わせて進められます。

• 薬物療法：AGAの症状を緩和させ、毛髪の成長を促進
• 外科治療：行が著しいときや、薬物療法の効果が出にくい場合に自分の毛髪を移植手術
• PRP療法：血液中の血小板による再生治療
• 光療法：低出力レベルレーザー療法

など治療方法はクリニックによって違います。

主な薬物としてミノキシジル、フィナステリドがあります。ミノキシジル(外用薬)は頭皮に直接塗布して血管を拡張させ、毛髪の成長を促します。フィナステリドはジヒドロテストステロンの生成を抑える効果があります。

抜け毛の進行が速く薬物では効果が出にくい場合の治療方法です。自分自身の毛髪を頭皮に埋め込む行為や、薄毛の原因部分を切り取り周りの皮膚を引っ張り閉じる方法などがあります。

血しょう板*⁴を患部に注入して組織の修正や再生を促進します。自分自身の血液から取り出した血小板リッチ血しょう*⁵を使うため、拒絶反応やアレルギー反応のリスクが少ない治療方法です。

低出力レーザーを頭皮に照射することで血行促進と毛母細胞の活性化が期待できます。

なお低出力レーザー治療は育毛効果があるとFDA(アメリカ食品医薬局)で認定されていて、アメリカでは家庭用低出力レーザー育毛機が販売される程、浸透しています。

以上4つの方法は専門医と相談をして継続的に治療をしていくことで効果が期待できますが、多少にかかわらず時間がかかります。

＊⁴血しょう板とは血液中の細胞の1つであり出血を止める役目

＊⁵血小板リッチ血しよう（PRP：Platelet-Rich Plasma Therapy）とは、血小板を濃縮した血しょうのことで、自分の血液の中から得られる成長因子や生理活性因子

AGAの薬の特徴

ここからは主なAGA治療薬の特徴をタイプに分けて紹介します。

発毛発育を促進するタイプ

ミノキシジル配合のミノキシジルタブレットやロゲイン(主な主成分はミノキシジル)は血流を良くするので育毛促進が期待されます。

ただし、ミノキシジルは外用薬は厚生労働省に承認されていますが、内服薬は認められていません。

抜け毛を防ぐタイプ

フィナステリドの成分がジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる男性ホルモンの生成を抑え、薄毛の進行を遅らせたり、毛髪の成長を促進したりする効果があります。

上記の薬以外に多々ありますがAGAの薬の中には厚生労働省が承認している薬と未承認の薬があります。

ここで紹介したミノキシジルは内服薬と外用薬があります。上記でもお伝えしましたが外用薬は厚生労働省に承認されていますけれど、内服薬は厚生労働省に承認されていません。

ここまで銘柄をお伝えしてきましたが、商品名と成分名は混乱しやすいため下記にまとめました。

ここでミノキシジル錠(内服薬)についてお知らせしたいのは、全身に多毛症を起こす可能性があること、心膜炎や心筋病変、有害な心臓作用を起こすことで知られています。
参考文献：米国国立図書館DAILYMED「ミノキシジル錠」
https://dailymed.nlm.nih.gov/dailymed/lookup.cfm?setid=8f3800f0-b6da-4dfe-8c32-39bb5eb0262a

薬の副作用と注意点

AGAの治療方法によく使われるのは「ミノキシジル」ですが、日本の厚生労働省で承認しているのは外用薬(添付薬)です。　(外用薬のミノキシジルは直接頭皮に塗布するものです)

ミノキシジルの注意点は副作用として頭皮の炎症やかゆみ、まれに呼吸困難、突然の体重増加などが挙げられます。

プロペシア・ザガーロアボルブの注意点は副作用として性欲減退・肝機能障害・精液減退といわれています。

プロペシアは男性限定で、頭頂部と前中頭部の男性型脱毛症に使われるためのものです。女性と子供には使用してはいけません。

妊娠中、授乳中の女性におきましては胎児や乳児に健康リスクを与えてしまう可能性があります。そのためプロペシアは女性には禁忌となっています。

参考文献：厚生労働省「プロペシアに関する注意喚起」より
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1a.html

副作用は人それぞれ出方が違いますし、言い切れるものではありませんが注意点として覚えておくと良いでしょう。

専門家への相談が大切

薄毛になってから長い期間放置していたことや、加齢により毛髪を作る機能である毛母細胞が衰えてしまった時点では、AGA治療で毛根を活性化させることは難しいようです。

自分がどのようにしていきたいか、専門医への相談をすることが大切です。

またAGAの治療を続けているうちに効果が出てきているからといって、自己判断で薬の服用を止めないで専門医と相談しましょう。

治療を止めてしまうと効果がなくなり元のように戻ってしまいます。専門医から指示された服用期間を実践して、それでもさまざまな理由から、やむを得ないときは医師と相談しましょう。

まとめ

AGA治療の方法はミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドの3つの治療薬が奨励されています。また外科的治療も近年では進化しています。

治療には外科治療、PRP療法、低出力レーザーなどあるため各クリニックの特徴など前もって確認してから相談することも大切です。

さらにAGAの治療は継続的に治療をすることで効果が現れるようです。そのため時間や金銭面も考えなければなりません。

薬物療法には個人差があり副作用が出る場合も。さらに治療中は性欲減退や肝機能障害などの注意をよく理解してから治療することが大切です。

参考文献：日本皮膚科学会「皮膚科Q&A 脱毛症」
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/q08.html