世界中にお茶を楽しむ文化がありますね。日本は古くから「緑茶」をたしなみます。お茶の葉とお湯を急須に入れて程よい加減で注がれるお茶に、日本の多くの人たちが嗜好しています。
今では簡単にティーパックやペットボトルで、すぐ飲めるようになっているお茶ですがどのような栄養素と働きがあるのかお伝えします。
緑茶とは
緑茶は茶葉を蒸すことで酸化酵素の働きを抑えたものです。緑茶の種類には玉露、煎茶番茶、抹茶、ほうじ茶などが日本のお茶です。
緑茶の品質やおいしさ
お茶の香ばしさや独特なうま味の茶葉は、山間の傾斜地で朝は霧に包まれる湿度と温度また日当たりや水はけの良い土地などの自然条件です。
もちろん平地で育てた茶葉がいけない事ではありません。湿度や温度が茶葉に適応さえしていれば良い茶葉が生育します。
次は、日本人が当たり前のように飲んでいる緑茶の製造方法と、ウーロン茶を取り上げて双方の製造方法を比べてみましょう。
緑茶の製造方法
日本茶(緑茶)は、このような製造工程でおいしいお茶を皆様に届けています。
緑茶
蒸し製法で作る緑茶は茶葉を摘んだらすぐに蒸して揉み上げ、そして乾燥させます。
- 手摘みの茶葉は1芯に2から3枚を摘みます。
- 茶葉の鮮度を保つため、湿度の高い空気を送り発酵を管理します。
- 酸化酵素の働きを阻止し葉の色を緑色に保ち、蒸気で時間をかけて蒸すことで、葉の青臭さをとって品質管理をします。
- 茶葉の色沢と香味を損なわないように蒸した茶葉に風を送り急速に冷まします。
- 冷やしたら乾燥した熱風を送り揉み込んでいきます。
- そして葉の内部の水分を蒸発させるため、適度な力加減で摩擦させ揉んでいきます。
参考資料:伊藤園お茶百貨「お茶ができるまで」より
URL:煎茶の製造工程 荒茶工程|お茶ができるまで|お茶百科 (ocha.tv)
以上の工程を行い葉の水分を取り除きながら、熱風乾燥をすると長期保存が可能になり、お茶の香味が増して製品になるよう仕上げていきます。
毎日飲んでいるお茶は多くの工程を経ておいしい緑茶になります。健康や抗酸化、免疫力を高める効果がある緑茶に、ますます興味が膨らんできますね。
つぎは台湾などで愛飲されているウーロン茶ですが、緑茶と製造方法は似ています。ウーロン茶の製造方法にも触れてみましょう。
ウーロン茶
丸まった茶系の茶葉のウーロン茶の製造方法はこちらです。
- 春に収穫した茶葉を天日にさらし酵素反応を起こすと、葉がしぼんでいきます。そしてもみ込んでいくと、茶葉は細胞が破壊され酸化されやすくなります。
- もまれた茶葉は温度と湿度により発酵して茶葉の味、色、風味がついていきます。
- 茶葉をこすり合わせることで発酵促進していき、茶葉は次第に表面の色に変化が出てきます。次第に赤褐色し半発酵状態となります。
- 釜炒りといって釜で茶葉を発酵状態にしたものを止めます。(半発酵状態)
- 揉捻といって機械で圧力をかけ揉んでいき、茶葉の水分量を均等になるように整えます。そうすることで、お茶の成分が出やすくなっていきます。
- 布に茶葉を入れ転がすように揉みます。
- 最終的に熱を加えて乾燥させてると出来上がります。
ウーロン茶は日に干し、発酵させ、発行を止める、揉む、さらに揉む、焙ることで濃厚なウーロン茶独特の香りと味をつくりあげます。
緑茶は茶葉を発酵させず直ぐに蒸します。しかしウーロン茶は天日干しをして酵素反応を起こさせています。お茶は無発酵、ウーロン茶は半発酵と、それぞれ味も香りも個性が出ています。
次は緑茶の栄養成分についてお伝えします。
緑茶の栄養成分
お茶の成分にはカテキン、カフェイン、テアニン、ビタミン類が含まれています。
カテキン
カテキンの機能は抗酸化、抗菌、抗ウイルス、腸内フローラ、血中コレステロール制御する作用があります。
カフェイン
カフェインはアルカロイドの一種で毒性物質である窒素が含まれています。覚醒作用、強心作用、利尿作用などが現れます。主にコーヒー、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ココア、栄養ドリンク、チョコレートなどの飲料に含まれています。
カフェインは摂取量に注意して過剰摂取して中毒症状など起こさないよう心がけましょう。
テアニン
お茶に含まれるアミノ酸の一つでお茶のうま味成分を出しています。
テアニンには睡眠をサポートする成分が入っているので翌朝はスッキリとした目覚めを迎えることができます。そしてリラックス効果により脳波にα波が増加します。
ビタミン類
- ビタミンAは抗酸化作用、抗がん作用
- ビタミンBは口角炎予防、抗酸化作用
- ビタミンCは抗酸化作用、ストレス解消、美肌効果
- ビタミンEの一種トコフェロールは抗酸化、老化を遅らせるが働き
緑茶にはビタミン類の効果場があるため、毎日飲むと体に良い影響があると嬉しいですね。
茶葉の成分に含まれる成分はお湯を注ぐため実際にはお茶の中には60から80%の栄養成分が溶け出しているようです。また、抹茶や粉抹茶はそのまま素材にお湯を注ぐので栄養効果が高いと言えますね。
健康への影響
お茶が健康に良いと言われる3つの事をお伝えします。
1:お茶を飲む習慣がある人々は、がん死亡リスクが減り長寿へのつながりへという結果が、国立がん研究センターから2015年に報告されています。
2:お茶に含まれているカテキンには抗酸化作用があり、脳卒中、心筋梗塞、高血圧などが、お茶を飲むことによって改善効果が得られていると言われています。
3:「べにふうき」という緑茶には、抗アレルギー作用があり、花粉の症状で悩んでいる人が継続して飲むことで、アレルギー症状を抑える期待がもてます。
緑茶は抗酸化作用や抗がん作用、美肌効果も含まれているから毎日飲むと良いよ
美容への影響
緑茶が美容に与える影響はどのようなことがあるか調べてみました。
抗酸化作用
アンチエイジングにお茶はとても期待がもてます。まず抗酸化作用により体を酸化せないという役割です。カテキンに含まれるビタミンA、C、Eは通常の数倍から数十倍の抗酸化力があるため肌に与える影響に期待が高まります。
美容効果
特にお茶のビタミンCは、レモンに含まれる数倍のビタミンCが含まれています。そのため肌のハリや美白、シミそばかすの生成を抑える働きがありますね。
リラックス効果
伊藤園の中央研究所の調査によると、お茶一杯には15gm~30gmのカフェインが含まれている事がわかっています。お茶の成分であるテアニンには、カフェインの興奮抑制作用が含まれているので、興奮することなく自然とリラックス状態になると言われています。
さらに、緑茶を飲んでリラックスしている時にはα波が多く出ていることが調査結果で判明しています。
抗酸化作用により美容に期待が持てるなんてお茶って素晴らしい!
一日に二杯以上お茶を飲む人と飲まない人を比較すると認知症になった人の数は少ないと言われているよ
緑茶の選び方
緑茶には種類があり、それぞれ特徴があります。お茶を選ぶには、甘味、うま味、香り、渋み、コクを気にしながらどれが好きなのか選びましょう。
ここでは6種類の緑茶を紹介します。
玉露
玉露は茶葉を直射日光が当たらない環境で育てます(20日ほど)。渋みのカテキンが増えるのを抑えうまみ成分のティアニンが減らないようにします。
そのためうま味や甘味を感じる素晴らしいお茶になります。
かぶせ茶
玉露と葉の育て方と同じく直射日光が当たらないようにしますが、直射日光を避ける期間が短いことです。
そのためお茶の入れ方がポイントで50度位のお湯で入れたら玉露。80度位なら煎茶の様な渋みのあるお茶を入れられます。
抹茶
抹茶はてん茶が原材料です。葉に直射日光が当たらないように育てたうま味を得た茶葉を、細かく挽いて作っているので、栄養価はお茶の葉そのままの高い栄養でいただけます。
てん茶と玉露の違いは、手もみすることなく蒸した茶を噴き上げて冷まします。これを「散茶」と呼びます。その散茶をてん茶炉にて高温で乾燥させるのがてん茶。
番茶
番茶は茶摘みの時期が遅く夏以降に積まれた茶葉、また次の茶摘みにむけて枝を整えた時に出た茶葉などで作られます。製造方法は煎茶とほぼ変わりません。
玄米茶
お茶と米を1対1の割合でブレンドしたお茶のです。玄米茶は独特の香りを持ちリラックス効果を与えてくれます。
ほうじ茶
ほうじ茶は葉の水分がなくなるまで炒るため香ばしい香りがします。そして炒る時間が長いので、成分は煎茶と変わりませんが成分濃度は少なくなります。そのためカフェインも少なく、子供からお年寄りまでおすすめできるお茶です。
茎茶
茎の部分を集めたお茶で苦みや渋みの少ないすっきりしたお茶です。茎茶はテアニンが多く含まれているのでリラックス効果を期待できるお茶です。
日本茶には玉露のように値段が高いけれどおもてなしに使えるお茶から、手軽に安価で購入できて楽しめるお茶まで、毎日お茶の効能を得られます。
緑茶の摂取量
緑茶は体に良いと聞いていても、一日にどれくらいまで飲んでいいのか気になりますね。
私は一日に500mlのお茶のペットボトル一本は飲むよね。体に良くない事があるのかしら…
緑茶にはカフェインが含まれているので覚醒作用が影響するという人もいるでしょう。しかし人によって違いはあります。
またお茶を適量以上に飲みすぎると、めまい、心拍数の上昇、興奮、不安などの症状が出ると言われますが飲みすぎる量とはどれほどなのか参考までに調べてみました。
カフェインの摂取上限については、アメリカやヨーロッパの見解では成人(妊婦、授乳婦を除く)で1日あたり400mlまでと言われています。
緑茶のカフェインはどれくらい含まれているか
100mlあたりに含まれているカフェイン
煎茶20mg
ほうじ茶20mg
玄米茶10mg
玉露160mg
煎茶ならマグカップ200ml飲んで10杯のところ、玉露は200ml飲むと約1杯なのですね
お茶だけ飲んでいるわけではないから、コーヒーや紅茶のカフェインも意識して飲むようにしないとね
結論として……
緑茶には抗アレルギー、抗酸化作用、リラックス効果を得られるため毎日摂取することが望ましいですね。さらに、アンチエイジングとして体を酸化させにくいメリットがあります。
美容ではビタミンCの作用により、肌のハリ、シミそばかすの生成を抑えることが期待できそうです。
ただ、緑茶にはカフェインが含まれているため、お茶を何度も飲む方は1日に摂取するカフェインを気にしてみてください。
参考文献:日本茶業体制強化推進協議会「消費者にこたえる‼茶の健康効果20選」より
URL:https://www.nihon-cha.or.jp/pdf/health_benefits20.pdf
参考文献:日本のお茶ガイド「緑茶・日本茶の選び方(お茶の種類)」より
URL:https://ochaweb.com/ocha-erabikata/
参考文献:文部科学省「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」
URL:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/02/16/1365343_1-0216r9.pdf
参考文献;日本カテキン学会「カテキンの効果.作用」より
URL:https://www.catechin-society.com/effect_02.html
カテキンは体にとどまってる時間が短いから、お茶は一日に何回も飲むといいんじゃないかなぁ